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金融

2020年6月3日

非居住者の預金残高が4月は急増、銀行の貸付残高は減少

 非居住者の預金が4月に増加した。シンガポール金融管理庁(MAS)によると、非居住者の預金残高は前年同月比44%増の621億Sドル(約4兆8千億円)で、過去最高を更新した。非居住者には海外居住者、海外で就業するシンガポール人、海外登記の企業が含まれる。
 
 銀行システム全体で、外貨建て預金残高は約4倍の269億7,000万Sドル(約2兆円)。Sドル建て預金残高は10%増の7,166億Sドル(約55兆円)。中国・マレーシア系CGS・CIMB証券のアナリストは、増加はシンガポールが安全な資金避難先であるためとコメントした。
 
 「景気後退時には貸付残高の伸びが鈍化し、預金残高が増加するのが常」(CIMBプライベートバンクのエコノミスト)。シンガポールは低金利環境にあるが、危機に際し預金者は安全を優先するという。
 
 4月の銀行の貸付残高は前月比0.4%減の6,897億Sドル(約53兆円)だった。うち企業活動向け貸付残高は微減の4,338億Sドル(約33兆円)で、製造業、商業部門への貸し付けが減少した。個人向け貸付残高は0.9%減の2,559億Sドル(約19兆円)だった。
 
 政府は当座のつなぎ融資計画や事業体向け融資計画を経済対策で実施しており、これが通常融資の減少を補ったようだ。
 
 個人向けでは消費不振でクレジットカードローン残高が急減。自動車ショール閉鎖、新車購入権入札の取り止めで乗用車販売が低迷し、自動車ローン残高も減少した。

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