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経済

2020年5月22日

ドルスワップレートがマイナスに、過剰流動性が原因

 ドルスワップレート(1カ月物)が20日、マイナス0.01141%になった。マイナス金利はほぼ9年ぶり。シンガポール金融管理庁(MAS=中央銀行)が十分な流動性の金融システムへの供給を約束したのがきっかけとなった。
 
 Sドルスワップレートはシンガポール銀行間取引金利(SIBOR)の代替金利で、翌日物、および1、3、6カ月物がある。翌日物も19日、0.02%に低下した。
 
 MASは金利ではなく、為替相場を金融政策の手段として利用しており、資金調達金利は米国の指標金利と同じ動きをとる傾向が強い。みずほ銀行シンガポールのストラテジスト、ビシュヌ・バラタン氏は「金利低下は流動性供給のためMASが講じた措置の副産物と考えられる」と指摘した。
 
 政府は今年の経済が4%縮小すると予想しており、これを受けMASは3月、Sドル相場の現状維持を表明し、4月には銀行が貸し付けに利用できる額を増やせるよう、資本金要件を緩和した。
 
 DBS銀行のストラテジストチームは「Sドルの流動性が米ドルとの比較で過剰になった場合、金融機関は低金利のSドルを米ドルと交換したいと思うようになる」とした。

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