2020年5月22日
インドがパーム油輸入再開へ、政権交代で関係改善
インド政府は、マレーシア産パーム油の輸入を再開する。政治関係の悪化で今年初めから輸入を事実上禁止していたが、マレーシアの新政権発足で関係が改善されたとして、禁輸を解いた。ザ・スター・オンラインが5月19日付で伝えた。
両国関係をめぐっては今年初め、インドでマイノリティーに当たるイスラム教徒がインドで不適切な扱いを受けているとマハティール前首相がコメント。インド政府はこれを受け、報復措置としてマレーシアからパーム油を輸入しないよう国内業者に求めた。ただ2月末にマハティール氏は辞任。3月に発足したムヒディン政権は歩み寄りを見せた。こうした中でマレーシア政府は先週、インド産米を10万トン購入する契約を交わしており、インド側はパーム油輸入の再開を決めている。
インドの輸入再開はマレーシアのパーム油業界には助け船となる。インドが輸入を禁止していたこともあり、4月末の在庫は想定よりはるかに多い200万トンに上り、価格は過去10カ月の最低水準まで下落。インドの輸入再開で事態改善が期待される。
インドは世界最大の食用油輸入国。毎年約900万トンのパーム油を輸入しており、マレーシアからは昨年に440万トンを購入した。
