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経済

2020年4月16日

新車販売予想を13%下方修正、新型コロナで=MIDF

 マレーシア産業開発金融(MIDF)系のシンクタンクであるMIDFリサーチは、2020年の国内新車販売台数の予想を13.2%引き下げた。新型コロナウイルス対策で発令された移動制限が自動車市場に重くのしかかるとみて、これまでの58万1,367台から50万4,580台に下方修正。前年実績を16.5%下回るとみている。ニュー・ストレーツ・タイムズが14日付で伝えた。
 
 移動制限は今のところ、4月28日までのフェーズ3が発令中。MIDFはさらにフェーズ4が発令して半月延長することを前提に販売予想を下方修正した。
 
 アナリストのハフリズ・ヘンジ―氏は、最悪のケースで5月末まで移動制限をかけるフェーズ5が発令され、その場合は20年の新車販売が48万〜49万台に落ち込むと話している。
 
 販売減少に伴い、各メーカーの業績が落ち込むとの見方。20年は業界全体で51%の減益になる見通しで、メーカー別の減益率は、MBMリソーシズ(MBM)が33%、ベルマツオート(BAUTO)が22%、UMWホールディングス(UMWH)が44%と予想。タンチョン・モーター・ホールディングスは7,400万リンギ(約18億3,200万円)の純損失を出して赤字転落するとみている。
 
 ヘンジ―氏は、移動制限が解除されても消費マインドの改善には時間がかかり、自動車の販売が直ちに回復することはないとコメントした。
 
 一方、調査会社ケナンガ・リサーチは、1997〜98年のアジア通貨危機で新車販売が6割落ち込んだケースより今回の落ち込みは小さいと予想。ただ20年の販売予想は56万台とし、従来予想から6.7%下方修正した。
 
 マレーシア自動車協会(MAA)によれば、19年の新車販売は前年比1.0%増の60万4,287台。国内経済と雇用情勢が安定したことで、16年以降では最高を記録した。

(提供:亜州ビジネスASEAN
 

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