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社会

2020年4月14日

高齢者、障害を持つ者への家族による虐待が増加

 高齢者や身体・精神的障害を持つ者に対する虐待数が増加している。虐待をする側は家族という例が多い。
 
 社会・家族開発省が設置した、そうした弱者を虐待から守るための団体「成人保護サービス」によると、昨年、虐待を受け調査対象になった成人は209人だった。2016年(107人)の約2倍だ。18年は199人だった。
 
 同団体は、身体的、精神的弱さ、障害ゆえに危害から身を守ることのできない18歳以上の成人に対する虐待例を調査している。同省の広報室によれば、虐待に対する地域社会の意識の高まりが虐待件数の増加という数字になって表れたものと考えられるという。
 
 虐待を行うのは主に子ども、または継子。配偶者、親、兄弟姉妹による虐待もある。2月に報道された裁判沙汰になった事件では、90歳の母親に虐待を働いていた男が自宅に入ることを命じられた。母親は痴呆で寝たきり。床ずれ防止のため、処方クリームではなく魚油と食用油が母親に塗布してあった、男は、お手伝いが油を塗ったと主張した。
 
 虐待では身体的虐待と介護放棄が多い。昨年、調査を受けた案件のうち60%は、65歳以上の人が被害者だった。
 
 社会団体アウエアのヒンゴラニ氏は、ウイルス感染拡大防止のための外出自粛で弱者が虐待を受ける可能性が高まると警鐘を鳴らした。

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