シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXニュースTOP予想される大卒者の就職難、就業体験も遠隔で

社会

2020年4月10日

予想される大卒者の就職難、就業体験も遠隔で

 新型コロナウイルスの感染問題で外国人観光客の入国がなくなり、さらに社会機能の維持に必要とされる以外の事業活動が停止を命令され経済が沈滞するなか、今秋大学を卒業する学生には就職氷河期だ。
 
 シンガポール工科大学(SIT)就職準備センターのヨー所長によると、就職戦線がどの程度、経済沈滞の影響を受けるかはもう少し時間が経過しないとわからないが、すでに悪化の兆候が見えるという。
 
 人材仲介サイト「インディード」によれば、4月初旬の求人掲載は前年より15%減少した。企業人の交流サイト「リンクトイン」によれば、2月以降シンガポールの雇用のペースは鈍っている。
 
 昨年末時点の求人数は5万2,700人で求人倍率は0.84倍。メイバンク・キム・エン証券のエコノミストは、今年の失業率を5%かそれ以上(昨年は2.9%)と予想している。
 
 シンガポール国立大学など複数の大学は就職フェアをオンラインで開催している。シンガポール経営大学では卒業に就業体験が必要だが、テレワークも就業体験とみなすことを決めた。
 
 面接指導も様変わりで、大学は遠隔面接の指導を行うようになっている。経済停滞は新卒者の初任給にも影響を与える見通しだ。南洋理工大学では職種をえり好みしないよう、卒業予定者に呼び掛けている。

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