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政治

2020年4月8日

銀行の貸付能力を増大、金融庁が貸倒引当金の要件を緩和

 シンガポール金融管理庁(MAS=中央銀行)は7日、貸倒引当金の要件を緩和すると発表した。銀行が貸し付けに利用できる額を増やすのが狙い。
 
 MASは貸倒引当金のための準備金のうち資本に利用できる割合を高める。一部の欧州やアジアの銀行がすでに採用している手法で、貸付額に対する貸倒引当金の割合を50%から25%へ引き下げる。来年9月30日までの時限措置だが、必要に応じ延長する。
 
 個人、企業に10万Sドル(約760万円)を6カ月満期で貸し付ける場合、通常は資本準備金のうち5万Sドル(約380万円)を貸倒引当金として用意しなければならないが、規制緩和でこれが2万5,000Sドル(約190万円)になる。
 
 MASは声明で「国内銀行は長年にわたり慎重な経営を続け、資本準備金も潤沢なため、今回の措置に対応する余力がある。経済活動向けに融資を行いつつ、この景気低迷を乗り切るだけの資本力がある」とした。要件緩和で生じた余力資金の自社株買いへの使用は禁止される。
 
 MASはまた、国際業務を行う銀行の自己資本規制「バーゼル3」の最終指針の施行を1年間、延期することも発表した。

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