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経済

2020年4月8日

20年はマイナス成長も、コロナで需給とも縮小=中銀

 マレーシア中央銀行は4月3日、2020年の国内総生産(GDP)成長率をマイナス2.0〜プラス0.5%のレンジに下方修正すると発表した。19年11月時点では政府目標の4.3〜4.8%に収まるとみていた。新型コロナウイルス流行により国内外でサプライチェーンが停滞し、国内では新型コロナ封じ込めの影響もあって需給が縮小するとみている。
 
 20年の物品・サービス輸出は8.7%落ち込むと予想。世界的なサプライチェーン停滞と商品需要の縮小、コモディティー価格の下落、また外国人来訪者の減少を受けて大きく落ち込むとみている。民間投資は1.6%減を予想。個人消費は前年の4.3%増から2.5%増に減速するとみている。
 
 20年のインフレ率はマイナス1.5〜プラス0.5%と、前年のプラス0.7%から下がるとみている。20年の経常収支は対GDP比1.0〜2.0%の黒字になると予想。前年の3.3%から黒字幅が縮小するものの、輸出先や輸出品目が分散されていることなどから黒字を維持できるとみている。
 
 一方、政府が打ち出した大規模な景気刺激策や中銀による金融緩和策が20年の成長率を2.8ポイント押し上げると分析。またクアラルンプールの大量交通システム(MRT)2号線や軽量高架鉄道(LRT)3号線など大型インフラ建設案件が予定通り進めば、成長率を1.0ポイント押し上げるとみている。
 
 中銀は、先行き不透明感が強い中、今後も経済安定化に必要な金融政策を打ち出すことに注力すると強調。金利を下げて債務者の負担を減らすとともに、個人や中小企業の返済期限を延ばすことなどの対応をとるとしている。

(提供:亜州ビジネスASEAN
 

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