学校、ほとんどの職場を1カ月間閉鎖、感染の爆発的増加を防止

　リー・シェンロン首相は3日、コロナウイルスCovid-19に関する3回目となる記者会見を開き、4月7日から5月4日まですべての学校とほとんどの職場に閉鎖を命じ、人の行動、交わりを厳しく制限すると発表した。
 
　また無症状の者による感染が数例報告されたため、健康な人にマスクは不要とのこれまでの方針を転換し、すべての家庭に再使用可能なマスクを配布する。
 
　住民には可能な限り自宅にとどまるよう求める。必要な用事で外出し人込みを回避できない場合はマスク着用が望ましいという。
 
　リー氏は、過去2週間、1日の感染者が50人以上だったことを指摘。さらに厳しい措置を講じなければ事態は悪化の恐れがあるとした。期間を1カ月としたのはサーキットブレーカー（回路遮断装置）の意味があり、大発生のリスクを減らすためだという。
 
　食堂、市場、スーパーマーケット、診療所・病院、公益事業、運輸機関、銀行など生活に欠かせないサービス以外の事業体は事務所・工場閉鎖を義務付けられる。
 
　レストラン、ホーカーなど飲食施設は持ち帰り・デリバリーサービスのみ提供でき、店内飲食は禁止される。学校はすべて4月8日から5月4日まで、家庭学習とする。
 
　リー氏は「長い戦いになる。しかしそれをやり遂げる国があるとしたらそれはシンガポールだ。われわれは勝ち、さらに強力になって浮上する」と演説を締めくくった。