2020年3月27日
経営危機のシンガポール航空、株主割り当てで88億Sドルを調達
危機的状況にあるシンガポール航空(SIA)は26日、株主割り当てで資金を調達し危機を乗り切ると発表した。発行済み株式の55.46%を所有する国営投資会社テマセク・ホールディングスが全額を引き受ける見通しで、政府資金でSIAを支える。
SIAは既存2株に対し3株の割合で株主割り当てを行い、53億Sドル(約4,032億円)を調達する。発行価格は1株3Sドルで、直近の株価(6.5Sドル)から53.8%割り引いた。権利落ち価格は4.4Sドルになるという。
SIAは10年もの転換債券も株主割り当てとして発行し、35億Sドル(約2,663億円)を調達する。利率は0%。償還しなかった場合、4.84Sドルの行使価格で新株に転換される。
テマセクは割り当て分を全て引き受け、またほかの株主が引き受けなかった分も引き受ける。SIAは調達した資金を、運転資本、航空機購入費、借入金の返済に充当する。
SIAはまた政府系DBS銀行から40億Sドル(約3,043億円)のつなぎ融資を取り入れた。当座の資金需要を満たすためだ。