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政治

2020年3月4日

ムヒディン前内相が首相就任、マハティール氏は反発

 ムヒディン前内相が3月1日、クアラルンプールで行われた宣誓式を経て、第8代首相に就任した。下院議員の過半数の信任を得ているとして、国王が前日に任命していた。ただ先週辞任したマハティール前首相は反発。ムヒディン氏が過半の支持を得ていないとして来週開会の議会に不信任案を出す構えで、政界が安定を取り戻すかは不透明な状況だ。各メデイアが伝えた。
 
 新政権はムヒディン氏が総裁を務めるマレーシア統一プリブミ党(PPBM)のほか、統一マレー国民組織(UMNO)と、イスラム原理主義政党である全マレーシア・イスラム党(PAS)が中心。前政権に比べマレー系の色合いが濃く、華人系やインド系との対立が激しくなる恐れがある。また巨額汚職事件がきっかけで下野したUMNOと連携することに一部の国民が反発。国王による任命後、クアラルンプールの王宮付近では数百人規模のデモが起きている。
 
 マレーシアでは選挙を行わない場合でも、下院議員(定数222議席)で過半の支持が得られると信じ得る議員を、国王が自らの判断で首相に任命できる。ただ議会がこれを退けることも可能で、マハティール前首相は1日、9日開会予定の議会に不信任案を提出すると述べた。同氏は「下院の114人(過半)から支持を得ている」と主張している。
 
 ムヒディン氏はもともと、独立以来61年にわたり政権を維持してきたUMNOに所属。ナジブ政権下では副首相を務めた。ただ巨額汚職事件を巡りナジブ氏を公に批判したことで解任された。その後、マハティール氏とともにPPBMを結成し政権を奪取。ただ今回、UMNOからの支持を得て首相に就任したとして物議を醸している。なおマハティール氏は先週、後継者選びを巡って与党内の対立が激しくなった責任をとって辞任していた。

(提供:亜州ビジネスASEAN
 

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