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社会

2020年3月3日

詐欺・経済犯罪、国外の者による犯罪が増加

 シンガポールにおける経済犯罪で、国外の者による犯罪が増加している。PwC(プライスウォーターハウスクーパース)の2020年調査によると、過去2年間のシンガポールにおける経済犯罪・詐欺事件のうち50%(18年調査では31%)が海外在住者による犯罪だった。
 
 シンガポールを拠点とする企業の42%(同35%)がそうした経済犯罪の被害にあった。海外業務を手掛ける企業の増加が、海外にいる者による犯罪の増加につながった。世界平均では47%の企業が経済犯罪の被害を受けた。
 
 シンガポール企業が受けた被害は、25%近い企業の被害額が5,000万米ドル(約53億円)以上、31%の企業が100万~5,000万米ドル(約1億~53億円)、残りが100万米ドル(約1億円)以下。年商が50億米ドル(約5,300億円)超の大企業が全体の27%(世界平均では17%)を占めた。
 
 PwCのシンガポール駐在幹部ピア氏によると、大企業は組織が複雑なため経済犯罪の被害を受けやすい。調査には99カ国の5,000社が回答。シンガポールからは92社が回答した。
 
 シンガポール企業で起こった犯罪の種類では、住宅ローン詐欺、クレジットカード詐欺が46%と最多。次いでサイバー犯罪が41%で、金融機関、テクノロジー関連企業が標的だ。
 
 資産流用、調達詐欺(納入業者からのリベートなど)、不正経理、贈収賄など従来型の経済犯罪は減少した。

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