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社会

2020年2月24日

リー・シェンヤン氏の妻に不適当な行為、遺言めぐる騒動で懲戒法廷

 リー・クアンユー初代首相の遺言をめぐる身内の争いで、長男であるリー・シェンロン首相の弟、リー・シェンヤン氏の妻で弁護士のリー・スエットファーン氏に弁護士として不適当な行為があった可能性を調べていた懲戒特別法廷(2人で構成)は、遺書の扱いで弁護士として極めて不適当な行為がスエットファーン氏にあったとの判断を示した。
 
 この件は弁護士の不正行為を懲戒する最高機関である、3人の判事で構成する法廷に委ねられる。
 
 ここで有罪が確定すると、スエットファーン氏は最悪の場合、弁護士資格をはく奪される。
 
 故クアンユー氏の遺書をめぐっては、家族が暮らした家の取り壊しをめぐり骨肉の争いが演じられ、内外の耳目を集めた。
 
 懲戒法廷によると、クアンユー氏は遺書を6回作成し、顧問弁護士のクワ・キムリー氏が立ち会ったが、最後に立ち会った数日後の2013年12月16日夕刻、スエットファーン氏は自分が用意した遺書をクアンユー氏に提示し、クアンユー氏は翌日昼前、それに署名し、これが最後の遺書となった。
 
 最後の遺書の内容は最後から2番目の遺書と大いに異なる点があるが、その相違点をスエットファーン氏はクアンユー氏に詳しく説明しなかった。最後の遺書には、それ以前に作成された遺書には含まれていない、家の取り壊し条項が含まれていた。
 
 スエットファーン氏は懲戒法廷での反論で、自分はクアンユー氏の弁護士としてではなく、義理の娘として、家族の一員として夫(シェンヤン)の言葉に従いクアンユー氏にアドバイスしただけと釈明した。
 
 昨年1月、司法長官院が事務弁護士会にスエットファーン氏の夫が遺言の受益者だったことから、弁護士として不適当な行為があった疑いを申し立て、同会が懲戒法廷の開設を首席裁判官に要請した。
 
 懲戒法廷は、スエットファーン氏はクアンユー氏の弁護士として遺言にかかわり、弁護士としての清廉・誠実さを欠く卑劣な行動をとったと結論付けた。

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