2020年2月13日
12月の小売業販売額が11カ月連続で減少、通年では2.8%減
シンガポール統計局が発表した昨年12月の小売業販売額は推定42億Sドル(約3,323億円)で、前年同月より3.4%減少した。自動車販売の低迷が響いた。自動車を除いた販売額は0.1%の増加になる。
昨年通年の販売額は前年比2.8%の減少で、2013年以来の大幅減少だ。減少傾向は、新型コロナウイルスの感染拡大による影響で今年上半期は続くと大華銀行(UOB)のエコノミストは予想している。
シンガポールが中国人旅行者の入国を禁止し、また韓国、台湾、クウェート、カタール、イスラエル、英国がシンガポールへの不必要な渡航の自粛を国民に警戒を呼び掛けており、シンガポール政府観光局(STB)は今年の外国人入国者数は最大30%減少すると見込んでいる。
OCBC銀行のセレナ・リン氏は「小売業の底打ちはまだ先」とみており、人が多数集まる場所の回避、会議、行事の取りやめで消費者の裁量支出は減少すると予想している。
昨年12月の動きでは、自動車販売額は24%減少した。家具・調度業の販売額は8%、コンピューター・通信機器業の販売額は6%、それぞれ減少した。クリスマスの祝祭があったにもかかわらず百貨店の売り上げは6%減だった。
腕時計・宝飾品の販売額は9%増加した。医療品・洗面用品の販売は5%増だった。外食産業の販売額は3%増の推定9億6,400万Sドル(約762億円)だった。