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経済

2020年2月13日

19年のGDP成長率4.3%、10年ぶり低水準

 マレーシア中央銀行は2月12日、2019年の国内総生産(GDP)成長率が4.3%だったと発表した。前年の4.7%から鈍化し、10年ぶりの低水準。個人消費と政府支出が成長を支えたものの、ともに伸び率は前年を下回った。
 
 米中貿易摩擦で世界経済が低迷する中、民間投資と輸出は低調。財政再建を進める一方で公共投資は2けた減少した。
 
 成長率を支出別にみると、全部門で前年を下回った。最も伸びが高かったのは個人消費の7.6%。ただし前年の8.0%から減速した。次いで高かったのは政府支出で2.0%。ただ前年の3.3%から伸びが鈍化した。
 
 民間投資は1.5%伸びたが、前年の4.3%から減速した。一方、公共投資はマイナス10.8%と、前年の5.0%からさらに下げ幅が拡大。
 
 輸出は1.1%、輸入は2.3%それぞれ減少した。
 

■4Qも10年ぶり低成長

 
 19年第4四半期のGDP成長率は3.6%で、こちらも約10年ぶりの低水準。前四半期の4.4%から0.8ポイント低下した。
 
 成長率を支出別にみると、民間部門がけん引。
 
 個人消費は8.1%で前四半期の7.0%を上回り、民間投資は4.2%で前四半期の0.3%から大幅に加速した。
 
 一方で公共部門は低調。政府支出の伸び率は1.3%、公共投資はマイナス7.7%だった。
 
 第4四半期の成長率を産業別にみると、全ての産業で前年同期を下回った。
 
 最も伸びが高かったのはサービス業の6.1%だが、前年同期の6.9%から減速。製造業は3.0%、建設業は2.6%だった。
 
 一方、鉱業はマイナス2.5%、農業はマイナス5.7%で、ともに下げ幅が拡大した。
 

■今年もリスク要因さまざま、新型ウイルスなど

 
 中銀は20年の国内経済について、個人消費と民間・公共投資が成長を支えると見通しを説明。
 
 中国で猛威を振るう新型コロナウイルスは国内経済にも影響を与えるが、そのインパクトは感染度合いや収束スピード、政府の対策などによって変わるとした。
 
 また米中摩擦や地政学的リスクに加え、国内の大型インフラ案件の進ちょく具合やコモディティー価格によっても大きく左右されるとしている。
 
(提供:亜州ビジネスASEAN

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