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政治

2020年2月4日

ウイルス禍では予算を待たず支援措置を実施、新規感染はなし

 武漢発の新型コロナウイルス感染による肺炎の広がり、経済・社会への影響に対処するため、政府は新年度予算を待たず必要な財政措置を講じる方針だ。対策チームの共同議長であるガン・キムヨン保健相とローレンス・ウォン国家開発相が3日、国会で発表した。
 
 シンガポールでは1日と2日の2日間、新たな感染者は確認されていない。中国の保健当局は4日、感染した患者の数が3日の発表から3,235人増えて、2万438人になったと発表した。死亡者も、感染拡大が深刻な湖北省で64人増え、425人になった。重体の患者もいる。
 
 シンガポール政府観光局(STB)は感染の疑いのある者が宿泊したホテルに対し消毒費用の最大半額を補助する。感染者の出た企業と当人には、生活維持のための援助を実施する。
 
 予算では、観光・運輸・同関連セクター以外にも影響は及ぶことを想定し、広範な支援措置を講じるという。
 
 政府は、最近中国に滞在していた人の入国を禁止しており、通常であれば1日1万4,000人の中国籍の人が入国するが、現在は80%減少した。
 
 入居者を立ち退かせている家主がいるとの消息について、ウォン氏は「ウイルス封じ込めを困難にする無責任な行為だ」と批判した。
 
 政府は、▽中国で武漢以外の都市でも感染が拡大する▽シンガポール国内感染が起こる▽ウイルスが突然変異で毒性を増す――の3つのシナリオを想定し、対策を立てる。
 
 中国に滞在していた者の入国禁止措置の影響で、11日にチャンギで始まるシンガポール航空ショーに出展を予定していた中航技進出口、中国商用飛機など中国企業10社が不参加を発表した。米航空機メーカーのガルフストリームとテキストロン・アビエーションも、社員の健康を優先し参加を取りやめる。韓国空軍はアクロバット飛行チームの派遣を取りやめる。

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