シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXニュースTOP11月の工業生産高は9.3%の大幅減、半導体・薬品が低迷

経済

2019年12月27日

11月の工業生産高は9.3%の大幅減、半導体・薬品が低迷

 シンガポール経済開発庁(EDB)が26日発表した11月の製造業生産高は前年同月比9.3%の大幅減だった。半導体と薬品が足を引っ張った。9月と10月の生産高がプラスだったことから、製造業は回復に向かうとの期待が市場にはあった。1~11月通期の生産高は前年同期比1.6%の減少になった。
 
 製造業のかなめである電子部門の生産は20.9%の減少だった。半導体、コンピューター周辺機器の生産が減少した。OCBC銀行のセレナ・リン主任エコノミストによれば、外需は引き続き軟調で、電子部門の低迷は2020年初頭まで続く見通しだ。
 
 生産量と輸出量の不一致も拡大しており、米系シティのアナリストによれば、アジアにおける半導体取引は増加が予想されるが、在庫処分が先になるため、生産の回復に結び付くのは先の話だという。
 
 変動の激しいバイオ医学部門の生産は10.3%減少した。医療機器輸出需要の低迷が理由。バイオ医学を除いた製造業生産は9%の減少になる。
 
 化学部門の生産は10%減と前月に続く減少だった。印刷・雑貨などその他製造は1.5%の減少だった。
 
 生産が増加したのは精密工学と運輸工学の2部門だけで、精密工学は9.7%の増加だった。リグ・造船など海洋・オフショアを含む運輸工学は2.1%の増加だった。
 
 OCBCのリン氏は、消費者心理、企業心理とも冷え込んでおり、来年第1四半期も景気回復は見込めないとの見解を示した。

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