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経済

2019年12月23日

シンガポール企業の豪州不動産への投資が増加

 シンガポール企業のオーストラリア不動産への投資が顕著に増加しており、今年のこれまでの投資は前年同期比20%増の33億8,700万米ドル(約3,705億円)と、シンガポールの国別対外投資で中国に次ぐ2位につけている。昨年は米国、中国、英国に次ぐ4位だった。
 
 DBSグループ調査部門のデレク・タン氏は豪不動産の魅力として、法制度が明確で取引が透明、税制が簡明、自由保有権の土地入手が容易、投資利益率が比較的高い、そして豪ドル安(1豪ドル=0.935Sドル)と、シンガポール投資家に有利な為替相場になっていることを挙げた。
 
 今年の大型取引では、シンガポール政府投資公社(GIC)がシドニーの高級オフィスビルを所有するレンドリース系列の投資信託の株式25.1%を取得。SPH不動産投資信託(REIT)が6億7,000万豪ドル(約506億円)でショッピングモールの権益50%を取得した。
 
 メープルツリー・インベストメンツは、主要都市の高級オフィスビルを所有するREITを6億5,400万豪ドル(約494億円)で買収した。メープルツリーはシンガポール国営投資会社テマセク・ホールディングスの子会社。
 
 豪州の商業不動産は堅調な賃貸需要を背景に賃料が上昇傾向をたどっており、過去5年間、シドニーとメルボルン中心街のビルの賃料はそれぞれ年、10%、11.3%上昇した。
 
 賃貸契約は5~10年が一般的で、年3~5%の値上げが契約に盛り込まれる。シンガポールのオフィス賃貸は3年契約が一般的だ。

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