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経済

2019年12月16日

低硫黄燃料油の販売が急増、来年のIMO規則施行控え

 国際海事機関(IMO)の燃料油規則の施行を2020年に控え、船舶燃料基地であるシンガポールにおける11月の低硫黄燃料の販売が急増した。
 
 シンガポール海事港湾庁(MPA)によると、低硫黄燃料の販売量は207万6,000トンで、これまでの過去最大だった10月の91万5,000トンを大幅に上回った。また船舶燃料販売量のうち低硫黄燃料が50%超を占めた。
 
 11月の船舶燃料販売量は407万6,000トン。前年同月比で4%、前月比で8%増加した。IMOの新規則では、高硫黄燃料を燃やした時に出る煙から汚染物質を除く装置(スクラバー)を整備していない船舶は、硫黄含有が0.5%以下の燃料の使用を求められる。
 
 超低硫黄燃料油(VLSFO)は一般的な燃料油(A重油)より安価だが、VLSFOを供給できる平底荷船が不足気味のためA重油との価格差が縮小しており、A重油より高い価格で供給されるケースもある。
 
 スクラバーを装備している船は少なく、石油業界関係者は、十分な量のVLSFOを供給できなくなる事態の発生を懸念している。
 VLSFOの在庫(原料を含む)は700万~800万トンで、当分、不足が起こる心配はないが、来年下半期には需要をカバーしくれなくなる恐れもあるという。

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