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経済

2019年12月13日

今年のIPO市場、不動産投資信託の独壇場に

 シンガポール取引所(SGX)における今年の新規株式公開(IPO)は11件、調達した資金は計30億6,000万Sドル(約2,479億円)と、昨年の15件、7億3000万Sドル(約591億円)を額で大きく上回った。しかし調達額のうち30億Sドル(約2,430億円)は4件の不動産投資信託(REIT)と事業信託によるもので、多様性を欠いた。
 
 シンガポールは小国であるため、大型上場が年々少なくなるのは不可避で、より多様性のある市場になるためには、SGXに海外から上場誘致する努力が必要と市場関係者は指摘する。
 
 上場銘柄のうち4社は1部に上場した。直近の上場はレンドリース・グローバル・コマーシャルREITで、7億4030万Sドル(約599億円)の資金調達だった。最大の資金調達はプライムUS・REITの6億1200万米ドル(約670億円)。
 
 ほかに、イーグル・ホスピタリティー信託が5億6580万米ドル(約620億円)、ARA・USホスピタリティー・トラストが4億9800万米ドル(約545億円)を調達した。
 
 2部カタリスト上場は7社で、調達した資金は計5900万Sドル(約48億円)。昨年は12件、1億7400万Sドル(約140億円)だった。今年の最大はフォートレス・ミネラルの1500万Sドル(約12億円)。
 
 来年の上場もREITが中心になる見通しだが、アナリストは、消費財、医療、金融サービス、テクノロジー分野の企業の上場も期待している。大型上場になると予想されるのはタイ・ビバレッジ。

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