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経済

2019年11月20日

チャンギ沖に魚養殖場、海から隔離した閉鎖型

 
 チャンギ・ポイント・フェリーターミナルの沖5キロの海上に設置された養魚場「エコ・アーク」の命名・稼働式が11月19日、行われた。
 
 縦横48メートル、28メートルの海から隔離した閉鎖型の施設で、アクアカルチャー・センター・オブ・エクセレンスが政府補助(410万Sドル、約3億2,718万円)で建設した。海水容量47万5,000リットルのタンクが4つあり、養殖しているのはバラムンダ(肺魚)、フエダイ、ハタ科の魚などの魚30トンで、年間166トンの魚の生産が可能。
 
 網で海との境を仕切った養殖場との違いは、酸素欠乏を起こす藻類ブルーム(微小な藻類が高密度に発生する現象)や石油流出と無縁で海水の清浄さが保たれることだ。糞などはドラム型回転ろ過装置で取り除き、ウイルスなど水中の病原体はオゾン化装置で殺菌、毎時7~10立方メートルの酸素を各タンクに供給している。閉鎖型養殖場は陸上に既にあるが、海水をトラックで輸送し、注入する費用が掛かる。式典に出席したコー・ポークーン上級閣外相(通産担当)によると、沖合施設は陸上型に比べ労働力が少なくて済み、占有面積も少ない。
 
 政府は栄養ベースで食糧の30%を2030年までに国内生産する野心的計画を立てており、今後も斬新な方法で自給率を高める。

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