シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXニュースTOP9月の工業生産高は0.1%増、景気後退を回避か

経済

2019年10月29日

9月の工業生産高は0.1%増、景気後退を回避か

 
 シンガポール経済開発庁(EDB)が発表した9月の製造業生産高は前年同月比0.1%の増加だった。エコノミストは減少を予想していただけに、わずか0.1%とはいえ増加に驚きを示した。
 
 バイオ医学部門の生産増が貢献した。バイオ医学を除いた製造業生産高は4.3%の減少になる。9月の製造業生産高は前月比では3.7%の増加だった。前年同月比で、バイオ医学部門の生産は21.9%増加した。製薬が26%増で、医療器具生産が11%の増加だった。
 
 最大の減少幅だったのは電子部門で、10%減だった。しかし前月に記録された減少幅(25%)よりは改善した。半導体、コンピューター周辺機器の生産が減少した。データストレージ、情報通信機器・デジタル家電の生産は増加した。
 
 精密工学部門の生産は4%増加した。マレーシア系メイバンクのエコノミストは、電子、精密工学の両部門は底を打った可能性が高いとの見解を示した。米中貿易交渉で部分合意が成立し11月にも署名される、との観測が根拠だ。
 
 運輸工学部門の生産は3%増加した。航空機保守・修理サービス需要の増加がけん引した。
 
 OCBC銀行のエコノミスト、セレナ・リン氏は、7月と8月の工業生産の確定値が速報値を上回っており、シンガポール経済は第3四半期、景気後退をきわどく回避したようだとの分析を示した。

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