シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXニュースTOP9月のコアインフレは0.7%、3年来の低水準に

経済

2019年10月24日

9月のコアインフレは0.7%、3年来の低水準に

 
 統計局が発表した9月の消費者物価指数(CPI)上昇率は前年同月比0.5%と前月と同じだった。CPI構成要素から住宅賃借費と自家用車所有にかかわる経費を除いた、生活実態により近いコアCPIの上昇率は0.7%で、2016年3月以来の低水準だった。
 
 項目別で、食品は1.6%、教育費は2.1%、医療費は1.4%、それぞれ上昇した。住居・公益費は1.3%、衣類・履物は0.9%、通信費は0.9%、それぞれ下落した。サービス価格は1.4%の上昇に鈍化した。レクリエーション、文化関連費は上昇したが、航空運賃と通信料金は下がった。公益費のうち電力・ガス料金は8.3%の下落で、電力小売市場の自由化が影響した。
 
 アナリストは、低インフレ環境は維持されるとの見解で、大華銀行(UOB)のエコノミストによると、国際原油価格の低迷と国内小売価格の下落が低インフレの主因だという。SIMグローバル・エジュケーションのタン・ケーブーン上席講師は、低インフレは、米中貿易戦争を誘因とする消費者心理の低下による内需低迷を反映しているとの見方だ。
 
 国内環境についてシンガポール金融管理庁(MAS)と通産省は共同声明で、労働市場はやや軟調になっており、今年と来年の賃金上昇率は鈍化するとの予想を示した。

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