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経済
社会

2019年8月23日

ビルが建ち並ぶ中心部の気温上昇抑制、設計に工夫を

 
 気候変動の時代にどのようにビル内を含め居住環境の気温上昇を抑制し、快適にするかを話し合うレクチャーが国家開発庁付属「住みよい都市センター」の主催でこのほど開催され、複数の案が提示された。
 
 南洋理工大学(NTU)のスボド・ゴータム・マイサルカー教授は冷水パネルがエアコンの代替品になるとの考えで、室温を10~15度下げる効果が期待できると述べた。SAAグループ・アーキテクツのリョン取締役は、外気を受け入れやすい、高い天井の構造にすれば建物の風通しが良くなり、室温を外気温より2度低くすることが可能だとした。
 
 ウッドランズ・ヘルス・キャンパス病院は南北方向に建てられており、通風を最大化しているため、建物に蓄積される熱が抑制され、エアコンに要するエネルギーを30%節約している。
 
 道路は地下に整備されており、アスファルト面が熱を持ち保持することを防いでいる。この結果、ビルのエアコンも設定温度を低くする必要がないという。ヒートアイランド現象が起きているのは中心部で、建物が少ない地域との気温差は最大7度。国家研究財団の資金援助で、この問題の解決策を探る研究が行われており、植物を利用した影作りなどが提案されている。

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