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2019年4月10日

中国とのECRL建設交渉、今月末にも妥結=関係者

 
 東海岸鉄道(ECRL)建設計画で、中国側との再交渉が今月末にもまとまる見込みだ。建設コストは当初予定していた550億リンギ(約1兆4940億円)から2〜4割安く落ち着く見通し。また中国がマレーシア産のパーム油を購入することも条件に盛り込まれる見込みだという。マレーシア側の複数の関係者の話としてザ・スター・オンラインが8日付で伝えた。
 
 この案件はナジブ前政権時代に決まり、中国交通建設が2017年に着工。ただ18年5月に誕生したマハティール新政権が財政難を理由にいったん凍結した。その後再交渉が行われており、マレーシア側はコストを抑える内容での工事再開を目指している。一方的に案件を打ち切れば、中国側への賠償金が200億リンギにも上るとみられるためだ。
 
 交渉に立ち会っているマハティール首相のトップアドバイザー、ダイム・ザイヌディン氏によれば、今月末にも交渉がまとまる見通し。また別の関係者によれば、建設費は当初予定していた500億リンギ、またマハティール政権が昨年見積もった810億リンギよりも大幅に低い344億〜413億リンギに落ち着く見込みだという。
 
 この案件は首都クアラルンプールから東部沿岸都市クアンタンを経由し、タイとの国境都市トゥンパットを結ぶ688キロメートルの路線を建設するもの。当初計画では上下列車がそれぞれ別の線路で走る複線を予定していたが、コストを抑えるため単線となる見込みという。またマレーシア産のパーム油製品を中国側が購入することや、中国からの投資を増やすことなども条件に盛り込まれるもようだ。
 
 この案件は中国にとり、広域経済圏構想「一帯一路」の目玉事業。シンガポールまで南下せずにマレー半島の東西を短距離で移動できるメリットがある。マレーシア側の関係者は、中国側は再交渉の場で当初はタフな姿勢を見せていたが、徐々に協調姿勢に変わってきたと述べている。
 
(提供:亜州ビジネスASEAN

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