シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXニュースTOPMASは長期的立場から国家資産を運用=メノン中銀総裁

金融

2019年3月14日

MASは長期的立場から国家資産を運用=メノン中銀総裁

 
 シンガポール金融管理庁(MAS=中央銀行)のラビ・メノン総裁は、13日にロンドンで開かれた資産・債務管理に関する会議の基調演説で、MASは外貨準備を運用しているため、極めて長期的視点からバランスの取れた投資配分を行い、収益の確保を目指していると語った。
 
 メノン氏によると、MASは資産運用でほかの多くの中央銀行より長期的視野をとっており、株式など価格変動のある資産にも投資することができるという。
 
 保有資産にはそれぞれ機能があり、現金と記名式国債は、緊急に資金が必要になった時に直ちに利用できる。
 
 先進国が発行している物価上昇連動債は一般債より流動性が低いが、インフレから守られるという利点があり、株式はリスクもあるが、高い利回りも見込めるという。
 
 地理的資産配分では先進国と新興国の両方に投資しているが、先進国の債券への投資が多い。通貨では、米ドル、ユーロ、円、ポンド建てが全体の4分の3を占めており、米ドル建て資産への投資比率が最も高い。
 
 MAS以外で外貨準備を運用しているのはシンガポール政府投資公社(GIC)とテマセク・ホールディングスで、資産運用残高はGICが1,000億米ドル超(約11兆1,270億円)、テマセクが2,000億米ドル(約22兆2,540億円)。

おすすめ・関連記事

シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXニュースTOPMASは長期的立場から国家資産を運用=メノン中銀総裁