2019年3月8日
7月に中銀利下げ、AMバンク・リサーチ予想
AMインベストメントバンク・リサーチは、マレーシア中央銀行が7月に利下げに踏み切るとの予想を発表した。中銀は今月5日の金融政策決定会合後、政策金利である翌日物政策金利(OPR)を3.25%に維持すると発表。7会合連続の据え置きとなった。ただAMバンク・リサーチは、経済成長を阻むリスクの高まりを中銀が以前よりも意識しており、7月にOPRを3.00%に引き下げる可能性が高いとみている。ザ・スター・オンラインが7日付で伝えた。
中銀は今月5日の声明で、今年はインフレが昨年より低いことが予想され、また現行の金利水準が景気浮揚を目指す政府のスタントと合致するとし、金利据え置きの理由を説明。ただAMバンク・リサーチは、いまだ解決されない米中貿易摩擦や、コモディティー価格の長期的な低迷、(主要国における)政策の不透明さを中銀が以前よりも警戒しているとし、今年上半期の経済統計結果を受けて7月に利下げする可能性が高いとしている。
一方、ケナンガ・リサーチは、中銀が今年はOPRを3.25%に維持すると予想している。政府が今年の国内総生産(GDP)成長率について、昨年実績の4.7%より高い4.9%の達成に自信を見せていることが理由の一つと説明。また米国内で成長鈍化の懸念が出る中、米連邦準備制度理事会(FRB)でハト派姿勢が強まっていることで、マレーシアが利下げに踏み切る必要はないだろうとの見方を示している。
マレーシア中銀が最後に政策金利を変更したのは昨年1月で、OPRを3.0%から3.25%に引き上げた。東南アジア域内ではいち早く利上げを実施しており、その後は据え置いている。
(提供:亜州ビジネスASEAN)