2019年3月7日
政策金利3.25%に据え置き、アナリスト予想通り
マレーシア中央銀行は5日、政策金利である翌日物政策金利(OPR)を3.25%に維持すると発表した。据え置きはアナリスト予想通りで、今年はインフレが昨年よりも低くなると見通していることが理由の一つ。また現行水準が景気浮揚を目指す政府のスタンスと合致するとみて、据え置きを決めた。ザ・スター・オンラインが同日付で伝えた。
中銀は、今年半ばまでは消費者物価指数(CPI)が低調な伸びを続けると予想している。原油価格の低迷が理由の一つ。また昨年5月末までは現在の販売・サービス税(SST)より課税対象が広い物品・サービス税(GST)が賦課されており、比較対象が高いことから物価の伸びが今年は低くなるとみている。なお今年1月のCPI上昇率は前年同月比でマイナス0.7%となり、約9年ぶりに低下した。
中銀は世界経済の動向について、米中貿易摩擦が貿易や投資に与える影響への懸念がいまだ拭えないと説明。また利上げ姿勢や政策の先行き不透明感が金融市場の先行きを曇らせているとした。マレーシア経済については、国内総生産(GDP)成長率が今年は昨年の4.7%と同水準になる予想。民間消費が成長を支えるとみている。
中銀は昨年1月、OPRを3.0%から3.25%に引き上げ、東南アジア域内でいち早く利上げを実施。その後は据え置いている。
(提供:亜州ビジネスASEAN)