2018年11月16日
域内eウォレット間送金、シンガポール・グラブが発表
シンガポールの配車サービス業者グラブは、携帯端末に取り入れた財布機能のeウォレットを用い、低い手数料で東南アジア域内での送金が可能なサービスを来年初頭、導入すると東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議の会場で発表した。
域内初のデジタル財布間送金サービスで、既存のほかのeウォレットと異なり、代理店など提携店舗で直ちに現金化できるという。送れられてきた金を「財布」に入れておき、グラブペイのアプリを利用し買い物をすることも可能だ。
発表式に立ち会ったビビアン・バラクリシュナン外相は「相互操作性のある域内向け送金・決済システムが普及すれば、市民、小規模企業にはASEAN全域の商品、サービスを入手する機会が拡大する。こうした、革新的デジタルサービスがもっと民間セクターから誕生することを希望する」と期待を表明した。
グラブは声明で、eウォレットがあれば域内観光、出張での支払いで煩雑さが解消され、国境を超えた電子商取引の増加にもつながるとした。
東南アジアの昨年の送金市場は700億米ドル(約5兆7,700億円)規模。グラブによれば、送金サービスを最も利用する外国人労働者は、不法営業の送金業者に依存しているのが現状だという。