2018年9月14日
STエンジニアリング、GE子会社を6億ドルで買収
1部上場の政府系シンガポール・テクノロジーズ(ST)エンジニアリングは9月13日、米ゼネラル・エレクトリック子会社のMRAシステムズ(MRAS)を6億3,000万米ドル(約703億円)で買収すると発表した。1件の買収では過去最高額。
STエンジニアリングはSTグループの中核企業で、航空機保守、修理サービスを提供している。米子会社のビジョン・テクノロジーズ・エアロスペースが実際の買収に当たる。
MRASは航空機エンジンを収納するエンジン室のメーカー。STエンジニアリングは買収を通じMRASの技術、知的財産を取得する。
買収価格はMRASの6月期売上高の1.2倍で、利払い・税引き・償却前利益(EBITDA)の10倍。
MRASは年金原資が不足しており、債務も抱えているが、債務ゼロの状態にすることが買収の条件。MRASは中間期に2,410万米ドル(約27億円)の純利益を計上している。
STエンジニアリングのビンセント・チョン社長は、MRASは価値の高い会社で、補完効果を期待していると述べた。来年3月までに取引を成立させる考えだ。
世界の航空需要は年4.4%のペースで増加すると予想されており、この先20年間で3万7,390機の旅客機の投入が必要で、エンジン室市場は成長が見込めるという。