シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXニュースTOP幸福感は収入と密接に関係、シンガポール国立大が生活の質調査

社会

2018年9月3日

幸福感は収入と密接に関係、シンガポール国立大が生活の質調査

NUSビジネススクールのシオク・クアンタンビヤとタン・スージウアンの両准教授は、今回で5回目となる、市民の幸福度に関する調査の結果を書籍の中で発表した。初回調査は1996年で、マーケティングの視点から生活スタイルを調査したが、市民の幸福度、生活状態を見る包括的調査に変化させた。

 

調査は2016年10月から17年2月にかけ実施。1,503人の市民が回答した。満足すべき生活状態の要素のうち、幸福度、楽しさ、達成感はいずれも11年調査を下回った。市民が感じる幸福度は、06年が72.5,11年が69で、16年は53だった。

 

生活における満足度で、最も満足を感じなかった領域は世帯収入。最も満足を感じた領域は、子ども、親、兄弟姉妹との関係だった。婚姻関係、恋人関係の満足度は上位5位から外れた。

 

世帯収入と教育水準は、幸福度、楽しさ、達成度に関する市民の自己査定に大きく影響している。収入と個人の幸福度の関係を見ると、全体として収入が多いほど市民が感じる幸福度も高い。

 

幸福度が高いのは3,000~6,000Sドル(約24万2,000円~約48万5,000円)の所得層、7,000~8,000Sドル(約56万5000円~約64万7,000円)の層、1万~1,5000Sドル(約80万8,000円~約121万3,000円)の層、2万Sドル(約161万7,000円)超の層で、6,000~7,000Sドルと、8,000~1万Sドルの所得層の幸福度は前後の所得層より低い。

 

タン氏によれば、これらは何らかの政府援助を受けられない所得層で、子どもがいる若い夫婦の世帯か、子どもと高齢の親がいる世帯と考えられるという。

おすすめ・関連記事

シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXニュースTOP幸福感は収入と密接に関係、シンガポール国立大が生活の質調査