2018年6月7日
マレーシア証取との相互取引、見直しのため棚上げ
マレーシアのマハティール首相は6月6日、閣議後の記者会見で、ナジブ前政権時代にシンガポールと合意したマレーシア証券取引所とシンガポール取引所(SGX)との連結を見直すと発表した。相互取引は年内の開始が予定されていた。
マハティール首相は、相互取引合意は精査が必要だと説明した。マレーシア証券委員会(SC)も同日、政府に必要情報を提供すると発表した。
これを受けシンガポールの証券市場を監督するシンガポール金融管理庁(MAS)は、マレーシアとしての立場を明確にするよう、SCに求めた。
マレーシア政府に近い筋は「マレーシア市場が損をするようなものでないかを確認するための見直しだ。マレーシア政府はClobの再来を望んでいない」と語った。
Clobは20年以上前にシンガポールに存在した、マレーシア株を売買する店頭市場で、マレーシア当局の同意なくシンガポールは勝手にマレーシア株を取引しているとして、マハティール当時政権が非合法化を宣言したといういきさつがある。
相互取引協定は取引の活発化が狙いで、両取引所あわせて1,600の銘柄が売買できるようになる。
マレーシア政府は、前政権時代に締結された契約に不審なものを見付けており、財政健全化の狙いからも契約の洗い出しに着手している。