2018年6月5日
シンガポール、プライベートエクイティー債券、個人投資家向けに販売
国営投資会社のテマセク・ホールディングスは、非公開企業に投資するプライベートエクイティーファンドの債券を個人投資家向けに販売する。老後の生活資金の足しにしてもらうのが狙い。首相夫人であるホー・チン最高経営責任者(CEO)が6月4日、スチュワードシップ・アジア・フォーラムで発表した。
シンガポールには年金制度として中央積立基金(CPF)があるが、ホー・チン氏は「テマセクの技術、力を活用し、老後の生活資金を増やすため個人が投資できる新たな商品の創造を決めた」と述べた。
国民の多くは公営住宅を資産として所有するが、ほかにインフレに強い資産に投資する機会はほとんどない。このためテマセクが最初に設定したのがショッピングモールを資産とする不動産投資信託(REIT)で、少額でも投資できるのが利点だという。
ホー・チン氏は「誰もが投資できる。投資したいと思ったら、そのショッピングモールまで足を運んで、繁盛しているか自分の目で確かめることができる」と語った。
プライベートエクイティーファンドは子会社のアザレア・グループが売り出す。総額5億米ドル(約548億2,300万円)を調達する。
最もリスクの低いクラスA-1が個人投資家向けで、2億4,200万Sドル(約198億5,500万円)を募集する。