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経済

2018年5月30日

隣国との高速鉄道取りやめ、シンガポール・ジュロン開発計画に影響

マレーシアのマハティール首相は5月28日の記者会見で、クアラルンプール・シンガポール高速鉄道(HSR)を取りやめると発表した。シンガポールと正式契約を交わした事業のため廃止確定まで時間がかかる見通しだという。マレーシア側には違約金が発生する。

 

5月9日の総選挙で勝利したマレーシア希望同盟(PH)政権は、前のナジブ政権時代に1兆1,000億リンギ(約2兆7,000億円)の債務が生じたとし、大型プロジェクトの見直しを表明。マハティール首相は「HSRでマレーシアの出費は巨額になるが、1センの利益にもならない。不必要な事業だ」としていた。既存鉄道の線路を直線にし、運行速度を上げることができれば十分との考えだ。

 

HSRのほとんどはマレーシア国内で、主要駅周辺では中国主導のインフラ事業が多数計画されていた。

 

マレーシア政府は、中国輸出入銀行の融資(550億リンギ(約1兆5,000億円)による東海岸鉄道も取りやめる。工事は入札なしで中国交通建設に発注され、すでに130億リンギ(約3,540億円)が引き出され、マレーシア側には債務となって記帳されている。

 

HSRのシンガポール側での事業はターミナル駅建設が柱で、地下トンネル工事入札が開始されていた。

 

シンガポールの都市再開発庁(URA)はジュロン湖地域開発計画をまとめたが、HSR終着駅は柱の1つで、計画見直しは必至だ。駅舎建設のため接収したジュロン・カントリー・クラブの土地は67ヘクタール。

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