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経済

2018年5月23日

シンガポール、水処理のハイフラックス、資金不足で裁判所保護を申請

水処理のハイフラックスは5月22日、シンガポール高等裁判所に債務組み替え・業務再編を行うための保護を請求した。発電部門子会社の経営難で損失が膨らんでいる状態の改善、中核業務の存続を図る。

 

ハイフラックスと、トゥアスプリングを含む5子会社が保護を申請した。債務再編法では、財務状態が悪化した企業は更生に向けた措置を講じる余裕が与えられる。

 

ハイフラックスは浄水場、海水の淡水化など水処理が中核業務。会長で最高経営責任者のオリビア・ラム氏は技術分野の代表的起業家。株主への書簡でラム会長は「一歩下がって、どう債務を組み替えるか全体像を見渡し、中核業務の維持を図る」と述べた。

 

裁判所保護を申請したのは、戦略的投資家との協議、業務の最適化、現在進行中の事業遂行に注力するための余地、時間を確保するためだ。債務の返済繰り延べと、オマーンとシンガポールにおけるプロジェクト続行のための資金確保を図る。

 

経営のネックになっているのが脱塩プラント・発電所を経営するトゥアスプリング。送電市場は開放されたが、発電市場の能力過剰、電力料金の低下で同社は赤字を垂れ流しており、ハイフラックスの1~3月期は2,210万Sドル(約18億3,090万円)の赤字だった。トゥアスプリングを除けば104万Sドル(約8,600万円)の黒字になる。

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