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ドクター・グリーンのワンポイント医療情報

2013年11月18日

脂肪肝の話

脂肪肝とは、肝臓の中に過剰に脂肪が蓄えられた状態をいいます。従来より肝臓に悪い影響を与えるものとしてアルコールや肝炎はよく知られており、禁酒指導や肝炎検査はよく行われていましたが、それ以外の脂肪肝は軽んじられる傾向がありました。しかし近年では、お酒をそれほど飲まない方に発見される脂肪肝が、長期間で見たときに実は肝硬変や肝癌の発症を増加させるとして注目されています。

非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)と言い、そのうち20%が脂肪肝だけではなく脂肪性肝炎(NASH)と呼ばれるような炎症を持ち、NASHの20%が肝硬変に至ると言われています。NAFLDには、肥満、脂質異常症、糖尿病、高血圧などの生活習慣病を合併していることが多く、生活習慣病の悪化が脂肪肝を進行させ、脂肪肝の進行が生活習慣病をさらに悪化させるという悪循環を生み出します。

治療の基本は、食事・運動療法で、カロリー・脂肪摂取制限といった糖尿病治療の食事に準じます。運動療法は、1週間に少なくとも10METS・時間の運動が良いとされていますが、具体的には速足での歩行1時間だと週3回行うことになります。いろいろな運動法がありますので、3METS以上の運動に時間をかけて、できる範囲での運動計画を立ててみてください。(参考:国立健康・栄養研究所)

 

※METS:安静時(横になったり座って楽にしている状態)を1とした時と比較して何倍のエネルギーを消費するかで活動の強度を示します。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.246(2013年11月18日発行)」に掲載されたものです。

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