シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXライフTOP過敏性腸症候群

ドクター・グリーンのワンポイント医療情報

2014年10月20日

過敏性腸症候群

電車に乗ると急な便意が起こる、大事な会議の前にはお腹が痛くなる。そんな症状はありませんか?原因がはっきりしないのに下痢や便秘を繰り返す状態は、もしかすると過敏性腸症候群かもしれません。女性よりも男性に多く、20~40歳代の方によく見られると言われています。

 過敏性腸症候群の特徴としては、最近の3ヵ月のうち1ヵ月に3日以上繰り返す下腹部の痛みや不快な症状があること、かつ①排便で症状が改善する②排便の回数が変化する③便の性状が変化するというこれら3つのうち2つが当てはまること、そしてそれが少なくとも6ヵ月前から繰り返されていること、とされています(ROME III基準)。

 また過敏性腸症候群は、“原因がはっきりしない”ということが特徴です。血便や食欲低下、体重減少、発熱などの症状がある時は、大腸の病気が隠れていることがあるので、大腸内視鏡や注腸造影などの検査で原因検索をする必要があります。また健康診断で行う便潜血の検査は簡便で、大腸の病気のスクリーニングとしては優れた検査法です。

 過敏性腸症候群の原因は十分に解明されていませんが、現在のところストレスや自律神経失調と考えられています。治療としては、規則的な食事習慣、薬物療法、心理療法などがありますが、治療により劇的に改善するというよりも、症状を緩和しながら付き合っていくことがゴールになります。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.267(2014年10月20日発行)」に掲載されたものです。

おすすめ・関連記事

シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXライフTOP過敏性腸症候群