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シンガポール不動産「耳寄り情報」

2013年7月15日

不動産(住宅)を購入する(2)

外国人が購入可能なコンドミニアムの購入手続きを簡単に説明します。

1.購入目的を明確に

自己居住用なのか、賃貸なのか、それによって選ぶ物件も変わってきます。賃貸向けの場合は、自分の個人的好みではなく、借り手の一般的好みで選ばないと、貸しにくくなります。また、賃貸利回りは、グロスで3%以下なので、賃貸料のみをあてにして借入返済を計画するのには、無理があります。

2.予算

日本の「外国人向けマンション」に匹敵あるいはそれを上回る高値なので、1億円以下での購入は、まず難しいです。印紙税だけで購入価格の約18%かかり、また、外国人の場合、シンガポール・ドル建ての住宅購入ローンが、借りられても、諸経費を含む総購入コストのせいぜい50%程度なので、資金計画が極めて重要。なお、シンガポールでは住宅ローンが承認されない場合、売買契約が無罰解約できる「ローン条項」は一般的ではありません。

最近の取引価格事例:

238The Orchard Residences (いわばシンガポールの六本木ヒルズ、右写真)
30階以上、3寝室、168平米 S$6,180,000(約4億8,700万円)

Aspen Heights(築14年。日本人駐在員家族向けの一般的物件)
5階、3寝室、149平米 S$2,880,000(約2億2,700万円)

3.支払い条件:新築の場合

手付金 5% 本契約締結時(手付契約から通常数週間以内) 15%

残金 建設工事進行基準で前払い(日本と異なり、引渡時残金一括払いではありません)。

4.支払い条件:中古の場合

手付金 1% 本契約締結時(手付契約から2週間以内) 4~9%

残金 本契約締結から8~10週間後に残金を決済し、物件引渡しを受ける。

なお、新築・中古とも、本契約締結時に約18%の印紙税を納付します。

5.仲介手数料並びに弁護士費用

自由料率なので、事前に確認が賢明。不動産仲介手数料は、売り手のみ負担(1~2%)が一般的(=借り手負担無し)。弁護士費用は、抵当権設定の有無によっても異なるが、概して1%以下。

地元の事情に明るくない外国人が不動産を購入する場合、信頼出来る不動産仲介業者、弁護士、そしてデベロッパーを選ぶことが重要です。特に未竣工物件の場合、デベロッパーが経営危機に陥ったりすると大変です。

文=木村登志郎(パシフィック不動産株式会社CEO)

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.238(2013年07月15日発行)」に掲載されたものです。

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