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2006年1月23日

『そうだったのか!アメリカ』池上彰

photo-8NHKこどもニュースの初代お父さんとして有名な池上彰氏の「そうだったのか」シリーズ第4弾。この手の入門書は、学者が書く場合いくら分かりやすく書いたつもりでも、専門用語を平気で使っていたりして成功していないことが多いが、本書は著者のテレビの経験が生かされて、かみくだいた語り口でとてもわかりやすい。他の著作もおすすめだが、今回のテーマはアメリカ。「自由の国」「民主主義の国」というイメージがありながら、独善的で偽善的な国。複雑で矛盾にみちてとらえどころがないようなこの国を、著者は「宗教国家」「連合国家」「帝国主義国家」「銃を持つ自由の国」「移民の国」「メディア大国」など9つの切り口で考察する。それぞれの章ごとに、いままで知らなかったアメリカ独特の考え方に出会い驚いてしまう。たとえば、銃の国という側面から見る章。銃を持つ自由を主張する人々は、それは民主主義を専制政治から守るためであると信じているという。なかなか同意するのは難しいが、背景となる歴史な説明がされているので、そんな考えも理解できるような気がする。未知の価値観に出会える、そんな本かもしれない。

 

集英社

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.067(2006年01月23日発行)」に掲載されたものです。
文=親松

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