シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXライフTOP『働きマン1~2巻』安野モヨコ

紀伊国屋「おすすめの1冊」

2006年1月2日

『働きマン1~2巻』安野モヨコ

photo-9「ハッピーマニア」や「美人画法」シリーズで女性を中心に人気のある安野モヨコが、週刊誌編集部の女編集者松方弘子を主人公として描くマンガがこの『働きマン』。主人公が女性なら「働きマン」ではなく「働きウーマン」だろというツッコミには本編を読んでいただくとして、内容は職場によくいる人をタイプごとに毎回「○○マン」と名づけ、主人公と絡ませてエピソードが語られるという形式。こうしてメインの人物を変えていくことによって、仕事の目的や人間関係について様々な視点があることを描き分けるという手法が心憎い。また本書は作中のセリフのひとつひとつが熱い。読む人の立場によって好みが分かれるとは思うが、筆者にとっては第1話の「死ぬ前に『働いた』と実感して死にたい」と言う松方のセリフに仕事への意欲を持たされると同時に、ここまでの覚悟が無いことを反省させられてしまう。一方で編集長やデスクのセリフに頷いてしまう管理職の方もいるだろう。男女問わず一日の多くの時間を会社員生活に費やしている人、または、そんな生活にこれからとびこもうとしている人にオススメ。作品に共感すると共に、松方みたいに男スイッチが欲しくなること請け合いだ。

 

講談社

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.066(2006年01月02日発行)」に掲載されたものです。
文=シンガポール本店 古矢

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