2006年7月31日
『アラビアンナイトを楽しむために』阿刀田高
夏がやって来た。といってもシンガポールはいつも夏のようなものでしょうか……。皆さん寝苦しい夜をお過ごしではありませんか?
そんな夜には、古典を読まれては如何でしょう。しかし、古典と言ってもあまり難しいものだと「小難しくてよく分からないなぁ」「字が小さいと目がシパシパしちゃって」と余計寝苦しくなってしまう。そこで、今夜は、阿刀田高の『アラビアンナイトを楽しむために』を読んでみては?
サザン朝ペルシャ、シャーリル王の時代、王妃となったシャーラザッドが夜な夜な語った奇怪な物語…。アリババと四十人の盗賊、シンドバッドの冒険などで、皆さんご存知の千と一の物語、〈千夜一夜物語〉。
「名前は聴いたことがあるけれど、はて、どんな内容だったっけ?」と意外に知らないこの物語、砂漠に浮かぶ月に想いを馳せながら、阿刀田流のちょっとオカシナ語り口で、アラビアンナイトの世界を夜な夜な紐解いてみては如何でしょうか。寝苦しい夜も少しは解消?出来るかも……。
新潮文庫
協力=シンガポール紀伊國屋書店
この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.079(2006年07月31日発行)」に掲載されたものです。
文=リャンコート店 里見