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2006年9月4日

『マレーの虎 ハリマオ伝説』中野不二男

photo-4ご存知の通り、アジアの紀伊國屋書店でしか読めない本がある。絶版になったアジア関連の書籍を厳選して復刊し、紀伊國屋書店アジア各店で限定販売しているものの一冊が本書だ。

本書をマレーシア関連の本だと思って読み始めたが、意外にもシンガポールとも深い関係があった。不覚。

私の世代は「怪傑ハリマオ」なんてTV番組は知らない。ハリマオという言葉は聞いたことがあるが、それが何を意味するかなんて考えたこともなかった。

ハリマオこと谷豊が何故にハリマオと呼ばれるようになったか、31年という短い生涯をどのように送ったか、著者は懸命に調べたが、多くのことは結局分からずじまい。戦後何十年も経っており、証言できる者が減少し続けているのだからやむを得ない。それでも読むのを途中で止めることができなかったのは、知っている地名が数多く出てきたからだろうか。

彼は日本軍に協力し、軍の南下と共にマレーシアからシンガポールを目指す。道中でマラリアに倒れ、シンガポールで永眠についた。

賑やかなブギス・ジャンクションからヴィクトリア・ストリートに沿ってサルタンモスクを右に見ながら北東に進むと、左手にMuslim Cemeteryがある。ここだろうか、彼が眠っているのは。

 

文藝春秋

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.081(2006年09月04日発行)」に掲載されたものです。
文=茂見

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