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紀伊国屋「おすすめの1冊」

2011年11月7日

『スティーブ・ジョブズ Ⅰ・Ⅱ』ウォルター・アイザックソン著/井口 耕二訳

photo-15スティーブ・ジョブスの名前が題名に入った本を検索すると、ざっと30冊以上の結果が出てくる。テーマや題材として取り上げられているものとなると、その数はさらに膨れ上がるだろう。その挙動、パーソナリティがここまで耳目を集めていた人は、ビジネスの世界ではあまりいなかった。本書は本人公認の伝記で、ボリュームだけでなく、密度の濃さも他と一線を画している。自らを率直に語る姿勢や、関係者百数十名の証言から浮かび上がってくる姿は、付き合うのが大変なのがありありと想像されるものの、魅力的に映る。

1巻は子供時代に始まりアップルからの追放、ピクサー時代まで。その年代も相まって、一風変わった青春物語にも読める。ページをめくるたびに出てくる行動の数々は、決して道徳的なことばかりではないが、思い切りの良さが爽快。2巻はいよいよアップルへの復帰、iがつく様々な製品の誕生、そして最期までが語られる。

 

講談社/ISBN:9784062171267 (Ⅰ)、9784062171274 (Ⅱ)

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.200(2011年11月07日発行)」に掲載されたものです。
文=シンガポール紀伊國屋書店 河合

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