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紀伊国屋「おすすめの1冊」

2023年8月2日

言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか

近年、言語学がちょっとしたブームである。
『言語学バーリ・トゥードRound1 AIは「絶対に押すなよ」を理解できるか』や『言語オタクが友だちに700日間語り続けて引きずり込んだ言語沼』など、独特の切り口で書かれた本がヒットし、専門的な学問という印象の強かった言語学が新たな読者を獲得している。
 
そのような状況をさらに後押しするように登場したベストセラーが、今井むつみ・秋田吉美による『言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか』(中公新書)だ。
この本の大きな特徴は、言語学を専門とする秋田と、認知科学、発達心理学を専門とする今井の共著である点。二人の専門分野を合わせることにより、この本では言語はどのように発生したのか、そして人はどのように言語を獲得するのかという大きな問題に踏み込んでいく。
 
その時に手がかりとなるのは「オノマトペ」、すなわち「げらげら」「もぐもぐ」といった、言語以前のイメージのある言葉たちだ。
著者たちはこのオノマトペこそが言語の本質に関わると考え、世界中のオノマトペ研究を手掛かりに、その問題を追求していく。
今年を代表する本のひとつになるだろう。
 
紀伊国屋シンガポール ウェブストアでチェック(ISBNコード:9784121027566)

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