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紀伊国屋「おすすめの1冊」

2021年11月2日

心はどこへ消えた?

臨床心理士兼カウンセラーである著者の東畑開人は、前著である『居るのはつらいよ ケアとセラピーについての覚書』(医学書院)によってその年の「紀伊國屋じんぶん大賞」を受賞している。
前著は沖縄のデイケア施設での体験をもとに「ケア」と「セラピー」について深く考え、それを豊富なエピソードとともに語ったものだったが、今回刊行された『心はどこへ消えた?』は週刊文春に連載されたエッセイをまとめたものだ。
 
当初、時事問題を軽妙に語る心理学エッセイの執筆を目指していた著者は、連載開始とともに訪れたコロナ禍によって方向転換を余儀なくされる。
そして急速に変化する状況の中で、著者は「心」というものが置き去りになっているのではないかと考える。
 
それは、本書のタイトルである「心はどこへ消えた?」という疑問に結びつき、著者はそれを考えていくのだ。
 
一方で、本書に収められた個々の短いエッセイは、実際に具体的な出来事やエピソードを読みやすい筆致で書き留めたものだ。
それぞれのエッセイは気軽に読めるものなので、ぜひパラパラとめくってみてほしい。
 
紀伊国屋シンガポール ウェブストアでチェック(ISBNコード:9784163914305)

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