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健康相談Q&A

2020年5月11日

熱中症になりやすい人とは?有効な対策は?

熱中症とは

 熱中症は、高温の環境の中で、体内の水分や塩分のバランスが崩れたり、体内の調節機能がうまく働かなくなり起こる障害です。熱中症の主な症状は、筋肉のけいれん、めまい、頭痛、体のだるさ、吐き気などですが、重度の熱中症では声をかけても反応が鈍く、まっすぐ歩けないなどの異常が出てきます。日本では、毎年夏になると熱中症になる人が多く、命にかかわる重症例も多く報告されています。
 

熱中症になりやすい人

 シンガポールでは、屋内の冷房が良く効いており(効き過ぎており?)、日本に比べ熱中症が話題になることは少ないです。しかし、ほぼ赤道直下のシンガポールですから、熱中症には当然気をつけなければいけません。
 
 特に乳幼児や高齢者は熱中症にかかりやすいので、注意しましょう。乳幼児は、汗腺などが未熟で体温を調節するのが苦手であるため、高齢者は一般的に水分摂取が少なく体温を下げる体の反応が衰えているために、熱中症が重症化する傾向があります。また、健康な若い人でも、暑い中で無理をすると大量の発汗により全身の臓器に障害を起こし危険な状態になることもあるので油断は禁物です。
 

有効な熱中症対策

 以下に熱中症対策のポイントを示します。
 
 1.直射日光を避ける:できるだけ日陰を歩き、帽子や日傘などで直射日光を避け、暑さをしのぎましょう。
 
 2.暑さに適した衣服の選択:外出の際は、体をしめつけない服装が良いでしょう。汗を吸収し素早く乾く涼感素材の衣料を活用するなどの工夫が大切です。
 
 3.こまめな水分補給:のどが渇いたと感じた時点で、すでに脱水が起こっています。のどが渇いた感じる前に、こまめに水分を摂りましょう。糖分と塩分を適度に含んだ飲み物を補給するのがお勧めですが、糖度が5%を超えると水分の吸収が悪くなります。糖度の高い飲み物は、水で薄めて飲みましょう。
 
 4.体力増強:暑さに備え体力を増強しましょう。早朝や夕方の日差しが強くない時間帯に、早足の歩行などで、汗をかく機会を作りましょう。上手に発汗が出来れば、熱中症にかかりにくくなります。栄養バランスの良い食事も体力づくりには欠かせません。
 
 5.体調不良時には暑い場所を避ける:発熱、嘔吐および下痢などがあると、脱水状態になりやすく、熱中症に陥りやすくなるので、暑い場所は避けましょう。
 
 6.室内の温度測定:屋外だけでなく室内でも熱中症になる場合があります。部屋の温度をこまめに測定しましょう。室温は28℃を超えないようにしましょう。
 
 7.寝汗や睡眠不足に注意:少しでも暑さを感じるようなら、寝汗で一晩のうちにコップ1杯分以上の水分が失われています。また睡眠不足は体力を消耗し、熱中症にかかりやすくなります。
 
 8.適度な休憩:無理をせず、適度に休憩を入れましょう。
 
 9.周囲への気配り:高齢者や持病のある人は、室内でも熱中症になることがあります。周りの人の体調の変化にも気を配りましょう。
 
 熱中症の応急処置は、休息、冷却、塩分糖分を適度に含んだ水分補給の3つです。熱中症を疑う症状があれば、まずはこの3つの応急処置を行ってください。吐き気などで水分補給ができない場合は、直ちに医療機関を受診するようにしましょう。

取材協力=日本メディカルケアー 医師・白石 勉

本記事は一般的情報の提供のみを目的として作成されており、個別ケースについて、正式な助言なく、本情報のみに依存された場合は責任を負いかねます。

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