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健康相談Q&A

2020年5月8日

肩こりや手のしびれ…治療方法はある?

 急激なITの発展により、人々にとってインターネットは今や生活と切り離せないものとなっています。シンガポールの街中を見回してみても、スマートフォン(スマホ)を使用している人が大多数です。総務省の統計によると、2014年3月時点で日本国内のスマホ保有率は53.5%にとどまっているのに対し、シンガポールは93.1%となっています。
 
 こうしたスマホ保有率の高さを反映し、シンガポールではスマホに起因する症状を発症している人が増えてきています。ひどい首や肩のこりを訴える患者さんの中には、首を前傾姿勢にしたまま日常的に長時間スマホを操作する方が見られます。スマホ使用率の増加とともに、肩こりや頭痛を訴える10代の患者さんも増えています。またそうした患者さんの姿勢の悪さが目立つ点や、男性の頚部痛治療の受診が増えているのも特徴的です。
 

単純な肩こりでない場合とは

 単純な肩こりと思い来院が遅れた患者さんの中には、頚椎症※1を発症している方もいます。特に頚椎症性神経根症※2は、首の痛みや肩コリ、手足のしびれや脱力感などの症状が、多くの場合片側に現れます。頚椎症性変化の確認は主にレントゲン撮影で行います。
 
 頚椎症性変化と共にストレートネックも増加傾向にあります。ストレートネックとは正常な首の前方へ弧を描くようなカーブが無く、まっすぐな状態の首を指します。骨格の変形を伴う首の障害ですが、中には骨棘による椎間孔(脊髄から出る神経の通路)の狭窄を伴う場合もあります。これにより首こり、肩こり、猫背、手の痺れ、頭痛などの症状が誘引される事が多くあります。
 
 (※1)加齢変化によるとげのような骨棘(こつきょく)などが神経根や脊髄を圧迫して出る症状
 (※2)頚椎症の変化によって、脊髄から分かれていく神経根が圧迫されたり刺激されることで起こる、上肢の神経機能障害のこと。変形脊椎症や椎間板ヘルニアが主な原因
 

首の動きをセルフチェックする方法

 首の動きを簡単にチェックできる方法があります。無理の無い範囲でゆっくりと次の順で首を動かしてみてください。
 
 1.前屈後屈 : 首を前後に倒す
 2.左右回旋 : 首を左右に回旋し、振り向く
 3.左右側屈 : 首を左右に倒

 
 首の可動域の減少や首や肩、背中の筋肉の張りや痛みなどがあれば要注意です。痛みが長く続いたり手や腕のしびれなどを伴ったりする場合は、医師にご相談されることをおすすめします。尚、ストレートネックの診察は、頚椎の形状確認が必要となるため、レントゲン撮影も共に行います。レントゲン撮影によって生理的なS字カーブの欠如が確認された場合は、ストレートネックであると診断されます。その際は合併症の有無の確認も同時に行います。
 

治療法は?

 頚椎症やストレートネックの治療は、手術などを行わない、いわゆる「保存療法」が基本です。理学療法(けん引療法や温熱療法など)、薬物療法、「頚椎カラー」の装着や、専門教育を受けたDC(Doctor of Chiropractic)による脊椎マニピュレーション治療がおすすめできます。
 
 また、慢性的な悪い姿勢などが大きな要因となる障害ですので、環境や生活習慣の見直しも大切です。デスクワークをされる方は、一定時間おきにストレッチを行ったり、パソコン画面を視線の高さに合わせたりして、負担のかかる前かがみの姿勢が続かないようにしましょう。

本記事は一般的情報の提供のみを目的として作成されており、個別ケースについて、正式な助言なく、本情報のみに依存された場合は責任を負いかねます。

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