2020年4月28日
足首をひねった後、足首が腫れて歩くと痛い…どのようなことに注意すべき?
足首(足関節)は、脛骨、腓骨、距骨から構成され、外くるぶしは腓骨、内くるぶしは脛骨の遠位端です。足首捻挫のほとんどは、走ったり、段差を踏み外したりした時に足首を内側にひねって、外くるぶしの靭帯(前距腓靭帯など)が損傷して生じます。症状としては外くるぶしの前や下の部分が腫れたり、外くるぶしの周りを押さえたりすると痛みがあります。
目次
捻挫の重症度別・治療内容
捻挫の重症度は3段階に分かれ、靭帯が伸びる程度の損傷を1度捻挫、靭帯の一部が切れたものを2度捻挫、靭帯が完全に切れたものを3度捻挫と分類します。1度や2度の捻挫では、症状に応じて1~2週間サポーターやシーネ(副木、添え木)で固定すれば十分ですが、3度の捻挫では3~4週間のギプス固定が必要で、足首がグラグラして不安定な場合には手術が必要になる場合もあります。重度の捻挫は軟骨損傷を伴っていることも多く、捻挫を放置すると慢性化するだけでなく変形性足関節症になる恐れもあるので十分な治療が必要です。
捻挫後に痛くて足に体重をかけられない、足首の腫れが強い、皮下出血が見られるなどの症状がある場合は、骨折の可能性もあり足関節のレントゲン写真撮影や治療が必要ですので早めに医師の診察を受けましょう。
捻挫の後でリハビリテーションをきちんと行わないままスポーツを再開すると、捻挫を繰り返したり、足首に痛みなどの後遺症を残したりすることがあります。スポーツを再開する前に固くなった足首を柔らかくして動きを良くし、足首の周囲の筋肉を鍛えて衰えた筋肉の力を取り戻すことが重要です。一般に2度捻挫の後でスポーツに復帰するには3~4週間程度かかります。
ケガの後48~72時間にとるべき5つの行動
ケガの後の48~72時間は、以下の「PRICE」を行いましょう。
Protect:保護
サポーターやハイカットシューズなどでさらなるケガから足首を保護する。
Rest:安静
ケガの後48~72時間は足首を安静にし、松葉杖を使って移動する。足首を長期 間動かさないと回復を遅らせる恐れがあるので、あまり長期間の安静は避ける。
Ice:冷却
ケガの後はできるだけ早く、氷を入れた袋や冷凍食品などを利用したアイスパックを患部に10~30分間当てる。皮膚に氷を直接当てるのは凍傷の恐れ があるので避ける。
Compression:圧迫
弾性包帯での圧迫により腫れを制限し、関節を安静にするのに役立つ。 血流が止まらない程度の軽度の圧迫が目的で、包帯を強く巻きすぎて足先がしびれたりしない様に注意する。
Elevation:拳上
腫れがひくように足をできるだけ高く上げる。座る時は椅子の上に足を置いて足を腰と同じ高さに保ち、ベッドで寝る時は、足の下に枕を置くとよい。
ケガの後72時間に避けるべき4つの行動
ケガの後72時間は、以下の「HARM」は避けましょう。ケガの後72時間以上経てば、症状を和らげるためにマッサージしたり、温めてもかまいません。
Heat:熱
サウナ、熱い風呂や温パックなどで温めるのは避ける。
Alcohol:アルコール
飲酒は出血や腫れを増加させて治癒を遅らせる。
Running:走る
走ることでさらなる損傷をもたらす危険がある。
Massage:マッサージ
揉むことで出血や腫れを増加させる。
取材協力=日本メディカルケアー 医師・吉國 晋
本記事は一般的情報の提供のみを目的として作成されており、個別ケースについて、正式な助言なく、本情報のみに依存された場合は責任を負いかねます。