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健康相談Q&A

2020年4月24日

脇腹に赤い水疱ができて痛い!帯状疱疹とは

 帯状疱疹は水ぼうそうと同じウイルスによって起こる皮膚の病気で、特に50歳以上の高齢者に多いですが、10~20代の若い人にも見られます。単純ヘルペスと異なり帯状疱疹の再発は稀です。
 
 子供の時に水ぼうそう(水痘)に罹った後もウイルスの一部が生き残り、痛みなどの感覚を脳へ伝える神経の根元にある神経節の中に潜んでいます。加齢や病気、ストレスなどで免疫の働きが低下した時に、潜んだウイルスが再び増えて神経節から神経を伝わり皮膚や神経を攻撃し、痛みや帯状の発疹を生じる原因となります。
 

帯状疱疹の症状

 1.体の左右どちらか一方にピリピリ、チクチクした痛みが起こる。
 2.数日して痛みの部位に赤い発疹が現れ、その中に水疱も集まり帯状に広がる。
 3.2~3週間でかさぶたになり、4~8週間ほどでかさぶたが取れる。
 4.ほとんどの痛みは皮膚症状とともに消えるが、時に感覚異常などの神経痛が残ることがある(帯状疱疹後神経痛)。高齢者や皮膚症状や痛みが強い時、体力が低下している時に神経痛が残りやすいと言われる。
 
 顔や頭部に帯状疱疹ができた場合は、難聴、顔面神経麻痺(まぶたや口が閉じられない)や眼障害(角膜炎、ブドウ膜炎、緑内障など)を合併する危険があり、眼科や耳鼻科の治療の必要もあるため早く受診しましょう。
 

帯状疱疹の治療法

 治療法は、皮膚症状がある急性期と皮膚症状が治った後の神経痛の2つに大きく分けられます。

急性期の治療

 ウイルスの増殖を抑える抗ウイルス薬(バラシクロビル、アシ クロビル)が中心で、併せて痛み止めの薬(非ステロイド抗炎症薬やアセトアミノフェン)も用います。抗ウイルス薬は早く飲み始める方が症状も早く治るため、皮膚症状が現れてから3日以内に飲み始めましょう。帯状疱疹では抗ウイルス薬(バラシクロビルは1日3回、アシクロビルは 1日5回)を1週間内服します。

帯状疱疹後神経痛の治療

 帯状疱疹の急性期の痛みは炎症によって生じる一方、その 治療後に残る神経痛は神経が傷ついて生じる痛みのため、一般 的な抗炎症薬では効果がなく、神経性疼痛緩和薬(ガバペ ンチンやプレガバリンなど)や抗うつ薬などの内服が必要です。
 

治療中に気を付けること

 帯状疱疹の水疱の中にはウイルスがいるため、まだ水ぼうそうに罹ったことのない人が水疱を触ったり、患者とタオルを共用したりすると感染して水ぼうそうを起こす危険があるので避けましょう。帯状疱疹がかさぶたになるまでは、十分な休養をとり安静にしましょう。入浴は血行を促進して痛みを和らげるだけでなく、患部を清潔に保つためにも有用です。
 

帯状疱疹の予防

 欧米では帯状疱疹の発症や神経痛を予防する目的で、60歳以上の人に帯状疱疹ワクチン(Zostavax)の接種が推奨されており、シンガポールでも接種可能です。日本では帯状疱疹予防のために水痘ワクチンの接種が可能です。

取材協力=日本メディカルケアー 医師・吉國  晋

本記事は一般的情報の提供のみを目的として作成されており、個別ケースについて、正式な助言なく、本情報のみに依存された場合は責任を負いかねます。

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