シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXライフTOP「仮面高血圧」について

ドクター・グリーンのワンポイント医療情報

2020年2月11日

「仮面高血圧」について

シンガポールでの仕事や生活で知っておきたい健康管理のお話

「仮面高血圧」とは

 診察室で血圧を測ると、緊張して数値が上がってしまい「白衣高血圧」と診断される人がいることはよく知られています。
 これとは逆に、診察室での血圧は正常でも、家庭で測ると高血圧になる場合があることはご存じでしょうか。こうした症候は、「仮面高血圧」と呼ばれています。
 
 医師の前では正常血圧で測定されるため、発見されにくい仮面高血圧。気が付かないまま放置すれば、動脈硬化が進み、脳卒中や心筋梗塞を引き起こす可能性を高めてしまいます。

 

高血圧の治療を受けている人のなかにも、仮面高血圧を発症しているケースがあります

 診察室での血圧が正常なことから治療がうまくいっていると見逃されがちですが、実際は1日のうち血圧の高い状態が長く続いています。この状態が続いてしまうと、心臓や血管に大きな負担がかかってしまい、脳卒中や心筋梗塞を起こしやすくなるのです。自覚がないままリスクを広げる仮面高血圧ですが、家庭で定期的に血圧測定をするなど、早期発見の機会を増やしてください。また、早朝に血圧が高くなる「早朝高血圧」も仮面高血圧の一種です。早朝高血圧を発症してしまうと、脳卒中や心筋梗塞になる危険性がより高まるといわれています。
 
 降圧薬を服用している人でも、薬の効果が十分に持続されず、24時間きちんと降圧できていなければ、早朝高血圧になる可能性があります。心配な人は、朝起きて薬を飲む前に血圧を測ってみましょう。もし数値が高いようなら、長時間作用型の降圧薬に変更したり、服薬時間を変えるといった対処が必要になることもあります。早めに主治医に相談しましょう。
 
 

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